2010年7月22日木曜日

震災15周年記念連続講座 第2回「災害復興~王道は憲法実践」開催

■7月6日(火)、都市安全研究センター・学生ボランティア支援室主催「阪神・淡路大震災と私のターニングポイント-3つのキーワードでたどる」の第2回「災害復興~王道は憲法実践」を開催し、23名の学生・地域住民が参加しました。

■今回は、神戸大学OBで兵庫県弁護士会災害復興支援委員会委員長を務めておられる弁護士の津久井進先生をお招きし、弁護士活動の原点となった司法修習生時代の震災ボランティアの経験や、その後の災害法制への関わりなどをお話し頂きました。今回の3つのテーマは「支援と法」「憲法の使い方」「災害復興基本法を」でした。


■津久井先生は、埼玉県で司法修習生をしていた時に阪神・淡路大震災を経験。神戸周辺の家族や知人にすぐに連絡をしますが、テレビで阪神高速が倒壊している状況を目の当たりにすることで一気に実感がわき、司法修習生仲間に声をかけて被災地神戸へ駆けつけました。当時、関西以外出身の仲間がテレビを見ながらも「よその出来事」として日常を過ごしている様子を見て、どんな出来事も他人事として捉えず「イメージ」することの大切さを痛感し、その後の当事者の視点に立った支援というスタンスへつながりました。



■被災地では、神戸大学を中心に避難所やテント村の支援を行っていた「神戸大学学生震災救援隊」や「神戸大学法律相談部」と共に活動し、国際文化学部体育館避難所で主に風呂焚きボランティアとして活動しました。他にも、避難所での無料法律相談なども実施し、「法律は、途方にくれた被災者の心を明るく照らす存在でなければならない」という思いを強くしました。また、法律相談の原点は「聴くこと」だと考え、被災者の気持ちを創造して話を聴くことを大事にしていました。後に、弁護士だけでは対処できない問題も多数出てきたことから、税理士、建築士、司法書士などと協力する「阪神・淡路まちづくり支援機構」という組織を作って今でも事務局を務めています。



■被災者にとって必要な法とは何か考えたとき、憲法こそ復興の基本法ではないかと考えています。憲法は、戦後の焼け野原からなんとか立ち上がって日本を復興させようと作り上げたものです。また、ボランティア活動というのは「市民の市民による市民のための自律的な活動」という意味で、国民主権、そして憲法全体を実現しているものと言えます。さらに、海外で活動する災害ボランティアこそまさに、憲法前文にある「国際社会において名誉ある地位を占める」ことに貢献しているとも言えます。



■憲法のスピリットを活かしながら、被災者の拠り所となる法律を作ろうと、現在「災害復興基本法案」を作成し、実現に向けて行動しています。復興の理念が、教育を通して子どもたちに継承されていくことを願っています。


■参加した学生からは「災害やボランティア活動について憲法との関係で説明してもらえてわかりやすかった」などの感想が寄せられました。



■次回は、10月13日(水)17:30~元兵庫県副知事の斉藤富雄先生をお招きして講演会を実施しますので、ぜひご参加下さい。

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